"エンロン"を理解するためのキーワード

『時価総額』


株式市場における上場会社の評価基準。 <発行済株式数×株価>で計算される。その会社を100%買収するとしたら、必要となる資金の額となる。



『時価会計(Mark To Market)』


資産の評価を時価で行う会計処理手法で、日本でも広く使われている。 通常、時価として用いられる価格は、証券取引所での終値など、第三者や主要な流通市場の価格が用いられる。 これに対してエンロンでは、行っていた取引の複雑さから、資産の時価を算出できる第三者や参照するべき流通市場が存在しなかったことから、 時価をエンロン自体が算出していた。いわば、Mark To ENRONによってエンロンは、会計を思い通りに操作していた。 もともと時価会計は、2〜3年の金融取引にこれを適用するのは妥当だが、 期間が10年、20年といったエネルギー取引にこれを適用するのは不適切だと言われている。





『企業拠出型年金(401k)』(確定拠出型年金)


企業年金改革を経て、アメリカの企業年金は、支払われる年金の額が決まっていた「支払い確定型」から、 社員の積立金を企業が一定額補助(確定拠出する)型にシフトした。 確定拠出型によって、将来の年金支払いに対して、企業は膨大な資金準備をする負担から開放された。 一方、運用の仕方(運用成績)で支払われる年金の額が変わる確定拠出型では、個人(社員)は投資先 (債券や株式の個別銘柄など)に関する自由度が拡大した。 同時に、年金資金の投資・運用での自己責任の範囲(リスク)も拡大した。 株価上昇が命だったエンロンは、もちろん社員に対しても、401kで自社株(エンロン株)購入を薦めていた。 本編セリフ「401kはエンロン株で決まりです」からもその様は窺える。悲劇だったのは、エンロンが破綻したことで、 こうして購入された自社株が無価値になったこと。そして、エンロンが破綻に至る過程で、 会社幹部が自社株を売り抜ける一方、多くの社員はその機会を奪われていたことである。





『特別目的事業体 SPE』(Special Purpose Entity)


本来は、会社本体の金融的リスクを避け、一時的な目的や単一的な目的を達成するために設立される(子)会社。 設立規定上、出資を3%以下に抑えることで、SPEは連結対象から外すことができる。エンロンのSPEの場合、 残りの97%は主に投資銀行などが出資したが、この資金集めを担当したのがエンロンCFOだったA・ファストウ。 映画でも、彼の資金集めのプレゼンが紹介されている。これらのSPEでは、 当時急騰していたエンロン株を担保としていた。





『帯域幅』(バンド幅、周波数帯域)


周波数の範囲のこと。データ通信は搬送に使用する電波や電気信号の周波数の範囲が広ければ広いほど転送速度が上がることから 「通信速度」とほぼ同義として使われる。 エンロンが帯域幅を売買する市場を創設すると発表したとき、多くの投資家たちの間では大きな話題となった。 その背景には当時、急速に高まるインターネット接続への需要があり、光ファイバー網の所有者と、 帯域幅を欲しがっていた企業を結びつけることは、 経験豊かなトレーダーを抱えるエンロンにとっては容易なことと思われたからである。





『天候デリバティブ』


天候をベースとする金融派生商品。 基本的には、天候によって収益が変化する業種に対して、 その収益を保証する取引。 企業体は、取引相手に料金を払うことで、天候に伴う収益の下振れをヘッジ(保険)する。 例えば、猛暑や冷夏、長雨、暖冬などにより、海の家やスキー場などで収益が下振れした場合、 天候デリバティブを使っていれば、この損失を補填することが可能となる。





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