その夜の侍

イントロダクション

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他愛のない話がしたい…

最愛の妻をひき逃げした犯人に復讐を果たすため、
心に孤独や葛藤を抱えた男は、
復讐の意味を問いながら犯人だけでなく自分自身も追い詰める。
狂気と日常の狭間を生きながら、
答えを見出していく姿を極限まで描き出す。

小さな鉄工所を営む中村健一は五年前のひき逃げ事件で最愛の妻を亡くして以来、深い喪失感と共に感情を押し殺した日々を過ごしている。その頃刑期を終え出所したばかりのひき逃げ犯・木島宏の元には、“復讐決行日”までをカウントダウンする匿名の脅迫状が届くようになる。二人の男と、取り巻く周囲の者たちそれぞれが抱える孤独、葛藤、願い。そして妻の五回目の命日の夜、二人は遂に対峙する。二人の魂がぶつかり合うなか、中村の木島へ向けられた刃は意外なものだった。それぞれが行き着いた先には…。

堺雅人×山田孝之初共演 その他豪華キャストが演じる濃密な人間模様

主演の中村役には、数々の主演映画で国内映画賞を受賞、映画俳優としての地位を確立した堺雅人。妻をひき逃げされ復讐を誓うことで自らの存在を支えながらもその行為に葛藤しジレンマを抱えている役柄。一方、ひき逃げ犯の木島役には山田孝之。暴力的な行動の内側に底知れない孤独を抱え、それゆえか孤独な者たちを引き寄せてしまう面も併せ持つという役どころ。意外なことに今回が初共演の二人。それぞれこれまで演じたことのない役に挑戦、スクリーンからは只ならぬ緊張感が漂い、観る者を捉えて離さない。特に堺は分厚いレンズ眼鏡をかけ、ぼさぼさの髪に薄汚れた作業着姿の冴えない中年男になりきり、今までにない新たな一面を見せている。その他、新井浩文、田口トモロヲ、綾野剛、谷村美月、安藤サクラなど、こだわりの豪華俳優陣が揃った。

俳優・演出家・脚本家として多彩な活躍をみせる赤堀雅秋の初監督作品。

劇団「THE SHAMPOO HAT」の旗揚げ以来、業界でもマニアックかつ熱狂的なファンを持ち、全作品の作・演出・出演を担当してきた赤堀雅秋。赤堀が描く登場人物とその生き様は、人間の機微を丁寧に紡ぎ、人間の本質に根ざす無様さや滑稽さ、狂気までをあぶり出す。その独特な世界観は赤堀ワールドとして称され、多くの支持を集めている。そして2007年に自ら主演も務めた戯曲「その夜の侍」は、下北沢のスズナリで上演され評判が評判を呼び大絶賛された。映画化にあたり脚本を改稿し、自ら監督に挑戦した。音楽は、映画『ももへの手紙』や朝ドラ「ゲゲゲの女房」の劇伴を担当した窪田ミナ、主題歌は名曲「星影の小径」。監督から「まずエンディングは「星影の小径」しかないと思い、僭越ながら唄えるのはUAさんしかいない!」と熱烈オファーをし、UAが快諾。エンディングに響くその歌声は、私たちの心に沁み入り、深い余韻を与える。

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