その夜の侍


ストーリー

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ストーリー1

東京のはずれで小さな鉄工所を営む中村健一(堺雅人)は、五年前、トラック運転手に最愛の妻久子(坂井真紀)をひき逃げされた。死んだ妻との思い出から抜け出せないまま、留守番電話に遺された妻の声を延々に再生しながら、糖尿病気味にも関わらず甘いプリンを食べ続けている。喪失感を抱え、絶望的な毎日を過ごす中村に、従業員の久保(高橋努)や佐藤(でんでん)たちは、腫れ物に触るように接するしかない。久子の兄青木(新井浩文)は、中村を早く立ち直らせようと、同僚教師の川村(山田キヌヲ)と見合いをさせてみるが、「僕なんかあなたにふさわしくない」と、新しい人生に向かうことを拒絶する。

ストーリー2

一方、久子をひき逃げした犯人木島宏(山田孝之)。二年間の服役後、ひき逃げトラックに同乗していた腐れ縁の友人小林(綾野剛)の家に転がり込んでいる。タクシー会社で研修を受けてはいるが、小林の同僚の星(田口トモロヲ)をいたずらに痛めつけたりと、相変わらず無反省に生きている。そんな木島のもとに、一ヶ月前から「お前を殺して俺も死ぬ。決行まで後○日」という無記名の脅迫状が連日執拗に送られてきていた。決行日は、木島が中村の妻を轢いた日だ。それはもう数日後に迫っている。
星を連れ、ひき逃げ事故現場に出かけて行く木島。その場にいた警備員の関(谷村美月)に言いがかりをつけ手篭めにする。その傍若無人ぶりは変わらない。

ストーリー3

木島から脅迫状のことを知らされた青木は、脅迫状を送っているのは中村と察し、復讐の決行をやめさせようとする。だが、中村を前にすると、何も言えなくなる青木。
中村は、毎日、日課のように、鉄工所の仕事の合間、包丁をしのばせた袋を手に、憑かれたように木島をストーキングし続けるのだった。

「お前を殺して、俺は死ぬ。決行日」
夜、台風の激しい雨が町を覆っている。
歩き回ったあげく、人気の無いグラウンドまでやってきた木島は、闇の中、後を追いかけてきた中村と、遂に対峙する―。

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